2025/05/01(Thu)
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2011/09/22(Thu)
先日のアイタタ妄想を形にしてもらえて幸せのあまり大気になりそうです。
はー……本当に漫画を描かれる方ってすごいですね。どうしてあんなに見せ方が神がかっているのでしょうか。
萌えすぎて爆発するかと思った(*´ω`)
はー……本当に漫画を描かれる方ってすごいですね。どうしてあんなに見せ方が神がかっているのでしょうか。
萌えすぎて爆発するかと思った(*´ω`)
9/20に書いてた臨帝パラレル妄想の小話です。
Aさんが描いてくださったのに萌えたあまり一気に書いちゃったけど、読み返してみたらしっちゃかめっちゃかだったのでここで供養しちゃう^q^
自分はひどく好奇心が旺盛なのだとは思う。
毎日同じことの繰り返しで、平凡な日々に飽き飽きしていた。漫画のようにある日突然自分の人生が変わるようなことが起きて、自分はもちろん主役で、などということはもちろん平面上の中だけでしかなく、実際はどれだけ願ったところで僕の平坦な日常が変わることはない。
こんな妄想は僕ぐらいの年頃なら誰だって持つようなものだ。自分が何ができるのかわからなくて、絵空事のような、自分がヒーローになれる夢を描くのは青年期の特徴として挙げられる。アイデンティティの確立、セルフ・エスティームの取得、激しい承認欲求の芽生え。いくつもの言葉で表せるということはそれだけ多くの人が体感している事柄に他ならない。
僕だけじゃない。僕だけが特別なわけじゃない。そんなことはわかりすぎるくらいわかっていたし、だからこそ日々がひどく退屈だった。
このまま勉強を続けて、大学に入って、就職して。ぼんやりと浮かべる未来はたぶん、現実に僕が歩む道とそう大差ない。だけどあまりにもありきたりな未来を歩むであろうことにストレスを感じていた。たぶんもっと頭が良ければ確固たる目標を持って明確なビジョンを描けるのだろうし、逆に目先の楽しさだけを追求できる無邪気さがあればこんなことを悩んだりなんかしない。
早い話が僕は何もかも中途半端ということだ。いまどきの若者はやる気がないといわれるのがよくわかる。だって特に必死にならなくてもクラスには仲のいい友人だっているし、両親は健在だし、成績だってそう悪くない。がむしゃらに何かに固執するほど夢中になれるものがない。
だから暇をもてあました結果、ネットで見つけたストレス発散の方法を片っ端から試してみた。ラジオ体操だとか、ストレッチなんていうありきたりなものから、アロマやお香なんていうちょっと女の子趣味が入ったものまで。世間のルールに逸脱するようなものに手を出さなかったのは自分の中の理性や、常識といったものがあったからだ。それを言い訳にして大きなことができないあたり、やはり僕は一般的かつ平均的な男子高校生なんだと思う。それにすらひどく苛立っていた。もっと何か、もっと、と自分を奮い立たせた結果見つけたのがネットの中にひっそりと隠れるようにあった『女装趣味』だった。女の子になりたいという願望は別にない。でも自分以外の何かになるというのはひどく魅力的なものに見えた。
自分でウィッグや服や靴や、顔が目立たないように帽子を買って(ネットって偉大だ)ふらりと街に出かけた。わかったことはやはり自分はただの男子高校生でしかなく、女装をして歩いてみても何の開放感も得られないということだけだった。
今にして思えば、本当に僕は煮詰まっていたのだと思う。そういえばあのときは毎晩ネットで女装について調べていたから睡眠も足りていなかったっけ。新しいことをするという高揚感に捕らわれてもいたんだろう。
「帝人君?」
涼やかな声に呼びかけられ身体がぴくりと震えた。そろそろと視線を床から上げる。
「大丈夫? お茶でも飲む?」
気遣うその声に左右に首を振ると、そう、と特にそれ以上追及もされずに会話が終わった。
浅く息を吐いて、目を正面の青年から室内に向ける。黒を基調とした部屋の中は不要なものはないのに寒々しい印象はなく、彼のセンスの良さを無言で物語っていた。自分が腰掛けているベッドも安いものではないらしく、動いてもギシ、ときしむような音はしない。
「い……臨也、さん」
「んー? 何?」
震える声で目の前の相手の名前を呼ぶと、臨也さんは手元の機械を弄りながら特に気負った様子のない返事をよこした。それにまた小さく吐息をこぼす。膝の上においている手をぎゅうと握りしめると、レースやリボンがあしらわれたスカートに皺が寄った。
臨也さんとは初めて女装をしたときに出会った。近所でも有名な邸宅の一人息子だったし、父親が町内の理事もしていたから挨拶くらいはすれ違えばしていた。だけど、僕と臨也さんの接点はそれだけだった。そうじゃなくなったのは僕のミスとしかいえないけど、女装をしていたときに彼にぶつかってしまったからに他ならない。正直それは僕にとっても計算外だった。わざわざ知り合いに会わないように駅を乗り継いで遠くまで来たというのに、とぶつかった瞬間には思ったが彼の前から無言で立ち去るときには、まぁ、いいかと思っていた。彼はたぶん言わないだろうと思ったからだ。そんな噂話をするほど暇人ではないだろうと。
だから翌日、学校帰りに道で偶然出会い、いつものように会釈をしたときに声をかけられたときは本当に驚いた。昨日のあれ、何? と公道でしても不審にはならないような言葉選びで尋ねられた言葉に、僕はただのストレス発散ですと答えていた。
そこで会話は終わるはずだった。変な趣味だね、とでも言われるかもしれないが、もう二度とする気もなかったのでそう言われても気にならない。だけど臨也さんは僕の想像の範疇を越える言葉を投げかけてきた。
『でもストレス発散できてないだろ? 協力させてよ』
もしこのとき臨也さんの目に嘲りだとか、何かそういった僕を軽んじる色があったらその場で踵を返していたに違いない。だけど臨也さんの目に浮かんでいたのは純粋な好奇心だった。新しい玩具を見つけた、と言いたげなその目に妙に惹かれ、柔らかな似非くさい笑みを浮かべる彼の、おいで、という言葉にのこのこと付いていってしまった。しまった、とは言うが、僕は別にこのときの選択を後悔はしていない。
彼は僕の想像のつかないようなさまざまな手法を教えてくれた。曰く、中途半端な女装だから楽しくないんだよと、化粧も衣服も、下着まで全部揃えてくれた。彼によって作り変えられた鏡の中の自分は決して可愛いとは思えないがとても僕とは思えなくて、ひどく胸が高鳴ったことを覚えている。
そうして僕は彼の言うとおりにしていれば自分の知らない世界を知ることができるのだと学んだ。
今日この場所にいるのもそれの一貫だ。いつものように彼の部屋で女の子の下着を身につけて、服を着ている。化粧やウィッグをつけないのは外に出る予定がないからだけど、僕は外出するとき以上に緊張していた。こくり、と喉から唾液を嚥下する音が聞こえる。それは静かな室内だから臨也さんにも聞こえたようで、彼が小さく喉で笑う声が聞こえた。
「緊張してる? 別に、怖いことなんて何もないのに」
臨也さんは手の中のデジタルカメラを僕に見せ付けるように振りながら、ただ動画を撮るだけ、誰かに見せるものじゃないよと笑った。
彼の言う通り、誰かに見せる前提ではないから今の僕の姿は一目で僕だとわかってしまう。もし臨也さんが録画したそれを誰かに見せたりなんかしたら僕は女装趣味の変態という烙印を押されるに違いない。まぁ、事実そうではあるのだけど。でも僕が緊張している理由はそれじゃなかった。
「で、でも……その、本当に、するんです、か」
もぞりと床についている足を動かす。白い靴下は腿まであるもので、僕の筋張った男のものとしかいえない足を愛らしく装飾していた。
「うん、するよ。おもしろいと思うし」
その答えに、そうですか、と小さく呟いて返すことしかできなかった。
こんな馬鹿げた格好も、臨也さんの手を借りることで街中に溶け込めるまでになった。そうなってくると非日常感が薄れ、僕は別の刺激が欲しくなった。ネットの海は偉大だ。いくつものページをめくりながら、僕が見つけた先にはまた、僕の知らない世界が広がっていた。
「……っ、あ」
唐突に臨也さんが椅子から立ち上がり、僕の目の前に立つ。下を向いていた僕の顎をすくい、上から赤みがかった目がおもしろそうに僕の顔を見ていた。
「帝人君に無理をさせるつもりはないから安心しなよ。ただ、君が一人でいつも遊んでるみたいなことをこのカメラの前ですればいいだけ」
その言葉にこくりと唾液を飲み込む。
新しい刺激を求めた結果僕が見つけたのは、自慰をするときに女の子のように中を弄るという方法だった。最初は興味本位で、今では普通にするよりもそうした方が気持ちいいからやめることができない。それをぽろりと臨也さんにこぼしてしまった。聞いた瞬間の臨也さんは本当に、きょとん、と不思議そうな顔をしていたけど、いくつか僕に質問をしてからはふぅん、とまるで僕を実験動物か何かのように見つめた。
僕が彼に、こんなみっともない女装姿を見せられるのは彼がこういう人間だからだ。最初に僕に協力してあげる、と言ったときも、警戒心を見せる僕に対して、そういったことをする人間心理に興味があるんだよと笑っていた。彼は人間を愛しているのだという。だからこそ、愛すべき人間の一人である僕に興味を持ったのだと。
僕個人ではなく、女装という行動に走った心理にしか関心がないということはひどく僕を安堵させた。
僕に興味がないからだろうとは思うのだけど彼は傍若無人に振る舞い、そして優しかった。女の子の格好をしている僕を見ては柔らかい笑みを浮かべてかわいいよと言葉をかけてくれる。その言い方は犬や猫に向けているようで、僕は何の衒いもなくありがとうございますと礼を言うことができた。
そんな彼が思いついたのが僕が自慰をしている姿を録画してみようということだった。不審に思う僕に彼はいつもの笑みを浮かべながら、アダルトビデオみたいでおもしろいだろ、と言った。アダルトビデオ。確かに女の人がそういったことをしている姿を納めたものは世に出回っている。躊躇いがなかったわけじゃない。だけど、それよりも自分の中の好奇心が勝った。撮られることで興奮することってあるらしいし、そういったことを試してみるのも一興だと。
だけど、いざ服を着替えて、いつものように化粧をしてもらうのだとばかり思っていた僕に臨也さんは、誰かに見せるわけじゃないのだから今日は化粧もウィッグも無しにしようと言ったのだ。だから今の僕は本当に、ただ女の子の服を着ているだけの僕に過ぎない。
柔らかい色彩で作られた衣服は本当に愛らしい。顎をすくわれた状態のまま、命綱のようにスカートを握り締める手に力をこめると素肌の太ももに触った。
臨也さんは不安げに見上げる僕のまぶたにそっと唇を押し当て、いつものように、かわいい、と囁いた。これは彼が僕の緊張をほぐすための言葉だとはわかっている。わかっているが、そう言われると少し居心地の悪い気持ちになった。
「その……化粧、本当にしないんですか?」
短い髪は素顔を隠すこともできない。そんな状態でリボンのついた服を身につけている姿なんて不気味にもほどがあるだろうに、臨也さんは小首をかしげて不思議そうに、したいの? と問い返してくる。
「帝人君、あんまり化粧好きじゃないでしょう?」
「そうですけど……」
顔にいろいろ塗りたくるのは気持ちのいいものじゃないから確かに好きではない。だけど化粧と女装は一つだと今では思うようになっているので、スカートや女性の下着を身につけているのに紅の一つもさしていないことが不安になる。だってこの姿のままの僕では別人ではなく、奇抜な格好をした僕に過ぎない。そんなの別に非日常でもなんでもないんじゃないだろうか。
だけど臨也さんは僕の不安を別のものとして受け取ったらしい。僕の顎から手を放すと、片手に持っていたデジタルカメラを彼がさっきまで座っていた椅子の上に置いた。丁度僕の真正面にあたる位置だ。カチ、と音がしたからたぶん、録画ボタンを押したんだろうと思う。黒いレンズを見つめることができずにまた視線を下に向けた僕の隣に臨也さんが腰掛けた。
「ね、もしかして俺が撮影したデータをばら撒くと思ってる?」
「え……?」
くすくすと、本当に、心底楽しそうに笑いながら臨也さんが言う。間近にある整った顔をどういう意味だと問いかけるように見つめると、だってさあと彼は言葉を続けた。
「そんなにすっぴん嫌がるから。確かにもし俺があの映像を誰かに見せたら、今の状態なら帝人君だって一目でわかるもんねぇ?」
わざと悪辣な言葉を選ぶ彼に眉間に皺がよる。そんなことを彼がするはずがないことくらい僕にだってわかってる。だって彼にメリットがない。
「臨也さんはそんなことしません」
「そう? そんな風に俺を信用していいのかな?」
まるで試すような物言いに自然僕の口から尖った声が出ていた。
「そんなの、もしこれをバラ巻いたりしたら……僕は、あなたに無理やりやらされたって、言えばいいだけです」
背景は臨也さんの部屋だとすぐにわかる。成人した彼より未成年である僕の主張に世間は同情的になるだろう。そうなって困るのは僕じゃない。臨也さんだ。
僕の答えに彼は満足げに頷き、じゃあ何も問題はないだろ? と口にする。
「でも、その……こん、な、顔で、この格好は……」
「もしかして俺に見られるのが恥ずかしいの?」
その問いにこくりと頷いた。正確には臨也さんに、というよりも、まるで変身途中のような中途半端な姿を人にさらしているということに対する羞恥心が強い。
「なるほどねぇ。それは想像してなかったかな。本当におもしろいね、帝人君は」
僕は面白くない。そう不満を述べるより先に臨也さんはベッドの上に四つんばいになるとのそのそと動き、僕の後ろに座った。それから彼の両手が僕の腰に回り、両足が僕の身体を挟み込む。まるで抱きかかえられているような体勢に意味を問うように彼を見つめると彼は笑顔で教えてくれた。
「これなら俺からは君の顔は見えないからいいだろ?」
「そう、です、けど……」
「それにさ」
彼の唇が耳殻に触れる。思わず身体がびくりと震え、肩を竦めてしまった。
「こうやって、女の子みたいに抱きかかえられながらしてみるのも一興だと思わない?」
そう耳元で彼が嘯く。彼にとって僕はモルモットにすぎないのに、女の子みたいに、だなんて。でも僕は実験動物で、玩具だからこそ彼は今言ったとおりに優しいふりをしてくれるに違いない。
女の子になりたいわけじゃないけれど、だからこそ男である僕が女の子のように扱われる機会なんてこの先一生無い。そう思うと彼の提案はひどく心惹かれる。
はぁ、と口から出たのはため息ではなく、熱を多分に含んだ吐息だった。彼はそれだけで僕が受け入れるとわかったらしい。耳の裏に、ちゅ、と口付けられた。
「ね、おもしろいから、本当にアダルトビデオみたいにしてみようよ」
「どんな風に……?」
彼が耳元で話すから息がかかる。それは不快ではなく、むしろじわじわと僕の中の何かに火をともすような感覚を伝えてくる。
「んー……素人ものにありがちなのはインタビューとかかな?」
インタビュー、と呟くと、臨也さんはそっと僕のおとがいに触れ、視線をカメラに向けるように仕向けた。
「それじゃあ、まず、名前は?」
「……竜ヶ峰、帝人、です」
「年は?」
「十……六、歳」
頬にじわりと熱がのる。臨也さんは、正直に応えなくてもいいよ? と笑み混じりの声で囁いた。
でも今の僕には機転の利いた答えなんか用意できるはずもなく、ただただ言われる言葉に震える声で返答するしかできない。
「趣味は?」
「ネットサーフィン、とか……ひっ」
唐突に臨也さんが僕の首筋を舐めた。咄嗟に声をあげ、反射のように彼から距離をとるべく立ち上がろうとしたが腰を抑えている手に阻まれる。
「もう、これくらいで驚かないでよ」
「こ、これくらいって……本当にびっくりしたんですよ」
舐められた場所を覆うように手をやると、臨也さんはその手を掴んだ。
「女の子ならこんなことくらいで驚いたりしないって」
「そ……そうかもしれませんけど……」
こんなくすぐったいことに耐えられるなんて女の子ってすごい。
そんなことを思う僕の手を臨也さんは胸元へと誘導した。センターを飾るのは金色のボタンで、一番上はかわいらしいこげ茶色のリボンだ。臨也さんは僕のもう片方の手も胸元にやると、また両手を腰に戻した。
「ほら、帝人君は脱ぐことに集中してなよ」
「ぬ、脱ぐんですか?!」
素っ頓狂な声をあげた僕に彼は僕の肩に顎を乗せたまま、当然でしょうと言った。
「脱がないと意味がないだろ?」
ほら早く、と急かす声にこくりと喉が鳴る。確かに、彼はアダルトビデオの真似事をしようと言ったのだから脱ぐのは当然だ。だけどそんな姿を撮るなんてなんだか……妙に倒錯的な気分になる。
震える指で一番上のリボンをほどくと臨也さんがまるで褒めるみたいに顔を摺り寄せてきた。
「好きな教科とか、嫌いな教科はある?」
「え……と……」
インタビューはまだ続いていたのか。
問われた言葉に答えを探しながら、指が定まらないせいでなかなかとれないボタンに苦心する。
「好きなのは、情報系……で、体育は、あんまり得意じゃ、ない、です」
なんとかボタンを全て外し、平らな胸をさらす。さすがに何もない胸にブラジャーなんてものはつけられず、僕の貧相な胸筋やうっすら浮いたあばらが淡い色合いをしたシャツに不釣合いだった。だけどそれにすら、くらりと視界が揺れる。
何か言われたわけでもないのに、僕は自分の手を胸元に差し込んで、男にとっては何の意味もないはずの胸の突起に指をのばした。
「ん……っ」
触れた瞬間、じわりと腰が重たくなったように感じる。すでにたっていた乳首を指先でつまむと痛みよりも下半身に直結するような快感が僕を襲った。
「胸、気持ちいい?」
臨也さんの質問にこくりと首を上下させると、また顔をつかまれ真正面のカメラに視線を向けさせられた。なんで、と不審に思う僕の耳に、彼は再度、気持ちいい? と尋ねてくる。その質問の意図が解り顔が熱くなった。
「きもち、いい、です」
仕向けられるままそう口にした途端ぞわりと背筋に何かが走ったような気がした。
素敵な萌えをくださったお礼にえろいとこというか帝人君の一人遊び的なとこ書こうと思ったけど力尽きた……そのうちまたいつかリベンジしたいです。
インタビューももっとちゃんと書きたいけど、正直公式のキャラソンに勝るものはないと思う。ほんと帝人君マジ魔性。
Aさんが描いてくださったのに萌えたあまり一気に書いちゃったけど、読み返してみたらしっちゃかめっちゃかだったのでここで供養しちゃう^q^
自分はひどく好奇心が旺盛なのだとは思う。
毎日同じことの繰り返しで、平凡な日々に飽き飽きしていた。漫画のようにある日突然自分の人生が変わるようなことが起きて、自分はもちろん主役で、などということはもちろん平面上の中だけでしかなく、実際はどれだけ願ったところで僕の平坦な日常が変わることはない。
こんな妄想は僕ぐらいの年頃なら誰だって持つようなものだ。自分が何ができるのかわからなくて、絵空事のような、自分がヒーローになれる夢を描くのは青年期の特徴として挙げられる。アイデンティティの確立、セルフ・エスティームの取得、激しい承認欲求の芽生え。いくつもの言葉で表せるということはそれだけ多くの人が体感している事柄に他ならない。
僕だけじゃない。僕だけが特別なわけじゃない。そんなことはわかりすぎるくらいわかっていたし、だからこそ日々がひどく退屈だった。
このまま勉強を続けて、大学に入って、就職して。ぼんやりと浮かべる未来はたぶん、現実に僕が歩む道とそう大差ない。だけどあまりにもありきたりな未来を歩むであろうことにストレスを感じていた。たぶんもっと頭が良ければ確固たる目標を持って明確なビジョンを描けるのだろうし、逆に目先の楽しさだけを追求できる無邪気さがあればこんなことを悩んだりなんかしない。
早い話が僕は何もかも中途半端ということだ。いまどきの若者はやる気がないといわれるのがよくわかる。だって特に必死にならなくてもクラスには仲のいい友人だっているし、両親は健在だし、成績だってそう悪くない。がむしゃらに何かに固執するほど夢中になれるものがない。
だから暇をもてあました結果、ネットで見つけたストレス発散の方法を片っ端から試してみた。ラジオ体操だとか、ストレッチなんていうありきたりなものから、アロマやお香なんていうちょっと女の子趣味が入ったものまで。世間のルールに逸脱するようなものに手を出さなかったのは自分の中の理性や、常識といったものがあったからだ。それを言い訳にして大きなことができないあたり、やはり僕は一般的かつ平均的な男子高校生なんだと思う。それにすらひどく苛立っていた。もっと何か、もっと、と自分を奮い立たせた結果見つけたのがネットの中にひっそりと隠れるようにあった『女装趣味』だった。女の子になりたいという願望は別にない。でも自分以外の何かになるというのはひどく魅力的なものに見えた。
自分でウィッグや服や靴や、顔が目立たないように帽子を買って(ネットって偉大だ)ふらりと街に出かけた。わかったことはやはり自分はただの男子高校生でしかなく、女装をして歩いてみても何の開放感も得られないということだけだった。
今にして思えば、本当に僕は煮詰まっていたのだと思う。そういえばあのときは毎晩ネットで女装について調べていたから睡眠も足りていなかったっけ。新しいことをするという高揚感に捕らわれてもいたんだろう。
「帝人君?」
涼やかな声に呼びかけられ身体がぴくりと震えた。そろそろと視線を床から上げる。
「大丈夫? お茶でも飲む?」
気遣うその声に左右に首を振ると、そう、と特にそれ以上追及もされずに会話が終わった。
浅く息を吐いて、目を正面の青年から室内に向ける。黒を基調とした部屋の中は不要なものはないのに寒々しい印象はなく、彼のセンスの良さを無言で物語っていた。自分が腰掛けているベッドも安いものではないらしく、動いてもギシ、ときしむような音はしない。
「い……臨也、さん」
「んー? 何?」
震える声で目の前の相手の名前を呼ぶと、臨也さんは手元の機械を弄りながら特に気負った様子のない返事をよこした。それにまた小さく吐息をこぼす。膝の上においている手をぎゅうと握りしめると、レースやリボンがあしらわれたスカートに皺が寄った。
臨也さんとは初めて女装をしたときに出会った。近所でも有名な邸宅の一人息子だったし、父親が町内の理事もしていたから挨拶くらいはすれ違えばしていた。だけど、僕と臨也さんの接点はそれだけだった。そうじゃなくなったのは僕のミスとしかいえないけど、女装をしていたときに彼にぶつかってしまったからに他ならない。正直それは僕にとっても計算外だった。わざわざ知り合いに会わないように駅を乗り継いで遠くまで来たというのに、とぶつかった瞬間には思ったが彼の前から無言で立ち去るときには、まぁ、いいかと思っていた。彼はたぶん言わないだろうと思ったからだ。そんな噂話をするほど暇人ではないだろうと。
だから翌日、学校帰りに道で偶然出会い、いつものように会釈をしたときに声をかけられたときは本当に驚いた。昨日のあれ、何? と公道でしても不審にはならないような言葉選びで尋ねられた言葉に、僕はただのストレス発散ですと答えていた。
そこで会話は終わるはずだった。変な趣味だね、とでも言われるかもしれないが、もう二度とする気もなかったのでそう言われても気にならない。だけど臨也さんは僕の想像の範疇を越える言葉を投げかけてきた。
『でもストレス発散できてないだろ? 協力させてよ』
もしこのとき臨也さんの目に嘲りだとか、何かそういった僕を軽んじる色があったらその場で踵を返していたに違いない。だけど臨也さんの目に浮かんでいたのは純粋な好奇心だった。新しい玩具を見つけた、と言いたげなその目に妙に惹かれ、柔らかな似非くさい笑みを浮かべる彼の、おいで、という言葉にのこのこと付いていってしまった。しまった、とは言うが、僕は別にこのときの選択を後悔はしていない。
彼は僕の想像のつかないようなさまざまな手法を教えてくれた。曰く、中途半端な女装だから楽しくないんだよと、化粧も衣服も、下着まで全部揃えてくれた。彼によって作り変えられた鏡の中の自分は決して可愛いとは思えないがとても僕とは思えなくて、ひどく胸が高鳴ったことを覚えている。
そうして僕は彼の言うとおりにしていれば自分の知らない世界を知ることができるのだと学んだ。
今日この場所にいるのもそれの一貫だ。いつものように彼の部屋で女の子の下着を身につけて、服を着ている。化粧やウィッグをつけないのは外に出る予定がないからだけど、僕は外出するとき以上に緊張していた。こくり、と喉から唾液を嚥下する音が聞こえる。それは静かな室内だから臨也さんにも聞こえたようで、彼が小さく喉で笑う声が聞こえた。
「緊張してる? 別に、怖いことなんて何もないのに」
臨也さんは手の中のデジタルカメラを僕に見せ付けるように振りながら、ただ動画を撮るだけ、誰かに見せるものじゃないよと笑った。
彼の言う通り、誰かに見せる前提ではないから今の僕の姿は一目で僕だとわかってしまう。もし臨也さんが録画したそれを誰かに見せたりなんかしたら僕は女装趣味の変態という烙印を押されるに違いない。まぁ、事実そうではあるのだけど。でも僕が緊張している理由はそれじゃなかった。
「で、でも……その、本当に、するんです、か」
もぞりと床についている足を動かす。白い靴下は腿まであるもので、僕の筋張った男のものとしかいえない足を愛らしく装飾していた。
「うん、するよ。おもしろいと思うし」
その答えに、そうですか、と小さく呟いて返すことしかできなかった。
こんな馬鹿げた格好も、臨也さんの手を借りることで街中に溶け込めるまでになった。そうなってくると非日常感が薄れ、僕は別の刺激が欲しくなった。ネットの海は偉大だ。いくつものページをめくりながら、僕が見つけた先にはまた、僕の知らない世界が広がっていた。
「……っ、あ」
唐突に臨也さんが椅子から立ち上がり、僕の目の前に立つ。下を向いていた僕の顎をすくい、上から赤みがかった目がおもしろそうに僕の顔を見ていた。
「帝人君に無理をさせるつもりはないから安心しなよ。ただ、君が一人でいつも遊んでるみたいなことをこのカメラの前ですればいいだけ」
その言葉にこくりと唾液を飲み込む。
新しい刺激を求めた結果僕が見つけたのは、自慰をするときに女の子のように中を弄るという方法だった。最初は興味本位で、今では普通にするよりもそうした方が気持ちいいからやめることができない。それをぽろりと臨也さんにこぼしてしまった。聞いた瞬間の臨也さんは本当に、きょとん、と不思議そうな顔をしていたけど、いくつか僕に質問をしてからはふぅん、とまるで僕を実験動物か何かのように見つめた。
僕が彼に、こんなみっともない女装姿を見せられるのは彼がこういう人間だからだ。最初に僕に協力してあげる、と言ったときも、警戒心を見せる僕に対して、そういったことをする人間心理に興味があるんだよと笑っていた。彼は人間を愛しているのだという。だからこそ、愛すべき人間の一人である僕に興味を持ったのだと。
僕個人ではなく、女装という行動に走った心理にしか関心がないということはひどく僕を安堵させた。
僕に興味がないからだろうとは思うのだけど彼は傍若無人に振る舞い、そして優しかった。女の子の格好をしている僕を見ては柔らかい笑みを浮かべてかわいいよと言葉をかけてくれる。その言い方は犬や猫に向けているようで、僕は何の衒いもなくありがとうございますと礼を言うことができた。
そんな彼が思いついたのが僕が自慰をしている姿を録画してみようということだった。不審に思う僕に彼はいつもの笑みを浮かべながら、アダルトビデオみたいでおもしろいだろ、と言った。アダルトビデオ。確かに女の人がそういったことをしている姿を納めたものは世に出回っている。躊躇いがなかったわけじゃない。だけど、それよりも自分の中の好奇心が勝った。撮られることで興奮することってあるらしいし、そういったことを試してみるのも一興だと。
だけど、いざ服を着替えて、いつものように化粧をしてもらうのだとばかり思っていた僕に臨也さんは、誰かに見せるわけじゃないのだから今日は化粧もウィッグも無しにしようと言ったのだ。だから今の僕は本当に、ただ女の子の服を着ているだけの僕に過ぎない。
柔らかい色彩で作られた衣服は本当に愛らしい。顎をすくわれた状態のまま、命綱のようにスカートを握り締める手に力をこめると素肌の太ももに触った。
臨也さんは不安げに見上げる僕のまぶたにそっと唇を押し当て、いつものように、かわいい、と囁いた。これは彼が僕の緊張をほぐすための言葉だとはわかっている。わかっているが、そう言われると少し居心地の悪い気持ちになった。
「その……化粧、本当にしないんですか?」
短い髪は素顔を隠すこともできない。そんな状態でリボンのついた服を身につけている姿なんて不気味にもほどがあるだろうに、臨也さんは小首をかしげて不思議そうに、したいの? と問い返してくる。
「帝人君、あんまり化粧好きじゃないでしょう?」
「そうですけど……」
顔にいろいろ塗りたくるのは気持ちのいいものじゃないから確かに好きではない。だけど化粧と女装は一つだと今では思うようになっているので、スカートや女性の下着を身につけているのに紅の一つもさしていないことが不安になる。だってこの姿のままの僕では別人ではなく、奇抜な格好をした僕に過ぎない。そんなの別に非日常でもなんでもないんじゃないだろうか。
だけど臨也さんは僕の不安を別のものとして受け取ったらしい。僕の顎から手を放すと、片手に持っていたデジタルカメラを彼がさっきまで座っていた椅子の上に置いた。丁度僕の真正面にあたる位置だ。カチ、と音がしたからたぶん、録画ボタンを押したんだろうと思う。黒いレンズを見つめることができずにまた視線を下に向けた僕の隣に臨也さんが腰掛けた。
「ね、もしかして俺が撮影したデータをばら撒くと思ってる?」
「え……?」
くすくすと、本当に、心底楽しそうに笑いながら臨也さんが言う。間近にある整った顔をどういう意味だと問いかけるように見つめると、だってさあと彼は言葉を続けた。
「そんなにすっぴん嫌がるから。確かにもし俺があの映像を誰かに見せたら、今の状態なら帝人君だって一目でわかるもんねぇ?」
わざと悪辣な言葉を選ぶ彼に眉間に皺がよる。そんなことを彼がするはずがないことくらい僕にだってわかってる。だって彼にメリットがない。
「臨也さんはそんなことしません」
「そう? そんな風に俺を信用していいのかな?」
まるで試すような物言いに自然僕の口から尖った声が出ていた。
「そんなの、もしこれをバラ巻いたりしたら……僕は、あなたに無理やりやらされたって、言えばいいだけです」
背景は臨也さんの部屋だとすぐにわかる。成人した彼より未成年である僕の主張に世間は同情的になるだろう。そうなって困るのは僕じゃない。臨也さんだ。
僕の答えに彼は満足げに頷き、じゃあ何も問題はないだろ? と口にする。
「でも、その……こん、な、顔で、この格好は……」
「もしかして俺に見られるのが恥ずかしいの?」
その問いにこくりと頷いた。正確には臨也さんに、というよりも、まるで変身途中のような中途半端な姿を人にさらしているということに対する羞恥心が強い。
「なるほどねぇ。それは想像してなかったかな。本当におもしろいね、帝人君は」
僕は面白くない。そう不満を述べるより先に臨也さんはベッドの上に四つんばいになるとのそのそと動き、僕の後ろに座った。それから彼の両手が僕の腰に回り、両足が僕の身体を挟み込む。まるで抱きかかえられているような体勢に意味を問うように彼を見つめると彼は笑顔で教えてくれた。
「これなら俺からは君の顔は見えないからいいだろ?」
「そう、です、けど……」
「それにさ」
彼の唇が耳殻に触れる。思わず身体がびくりと震え、肩を竦めてしまった。
「こうやって、女の子みたいに抱きかかえられながらしてみるのも一興だと思わない?」
そう耳元で彼が嘯く。彼にとって僕はモルモットにすぎないのに、女の子みたいに、だなんて。でも僕は実験動物で、玩具だからこそ彼は今言ったとおりに優しいふりをしてくれるに違いない。
女の子になりたいわけじゃないけれど、だからこそ男である僕が女の子のように扱われる機会なんてこの先一生無い。そう思うと彼の提案はひどく心惹かれる。
はぁ、と口から出たのはため息ではなく、熱を多分に含んだ吐息だった。彼はそれだけで僕が受け入れるとわかったらしい。耳の裏に、ちゅ、と口付けられた。
「ね、おもしろいから、本当にアダルトビデオみたいにしてみようよ」
「どんな風に……?」
彼が耳元で話すから息がかかる。それは不快ではなく、むしろじわじわと僕の中の何かに火をともすような感覚を伝えてくる。
「んー……素人ものにありがちなのはインタビューとかかな?」
インタビュー、と呟くと、臨也さんはそっと僕のおとがいに触れ、視線をカメラに向けるように仕向けた。
「それじゃあ、まず、名前は?」
「……竜ヶ峰、帝人、です」
「年は?」
「十……六、歳」
頬にじわりと熱がのる。臨也さんは、正直に応えなくてもいいよ? と笑み混じりの声で囁いた。
でも今の僕には機転の利いた答えなんか用意できるはずもなく、ただただ言われる言葉に震える声で返答するしかできない。
「趣味は?」
「ネットサーフィン、とか……ひっ」
唐突に臨也さんが僕の首筋を舐めた。咄嗟に声をあげ、反射のように彼から距離をとるべく立ち上がろうとしたが腰を抑えている手に阻まれる。
「もう、これくらいで驚かないでよ」
「こ、これくらいって……本当にびっくりしたんですよ」
舐められた場所を覆うように手をやると、臨也さんはその手を掴んだ。
「女の子ならこんなことくらいで驚いたりしないって」
「そ……そうかもしれませんけど……」
こんなくすぐったいことに耐えられるなんて女の子ってすごい。
そんなことを思う僕の手を臨也さんは胸元へと誘導した。センターを飾るのは金色のボタンで、一番上はかわいらしいこげ茶色のリボンだ。臨也さんは僕のもう片方の手も胸元にやると、また両手を腰に戻した。
「ほら、帝人君は脱ぐことに集中してなよ」
「ぬ、脱ぐんですか?!」
素っ頓狂な声をあげた僕に彼は僕の肩に顎を乗せたまま、当然でしょうと言った。
「脱がないと意味がないだろ?」
ほら早く、と急かす声にこくりと喉が鳴る。確かに、彼はアダルトビデオの真似事をしようと言ったのだから脱ぐのは当然だ。だけどそんな姿を撮るなんてなんだか……妙に倒錯的な気分になる。
震える指で一番上のリボンをほどくと臨也さんがまるで褒めるみたいに顔を摺り寄せてきた。
「好きな教科とか、嫌いな教科はある?」
「え……と……」
インタビューはまだ続いていたのか。
問われた言葉に答えを探しながら、指が定まらないせいでなかなかとれないボタンに苦心する。
「好きなのは、情報系……で、体育は、あんまり得意じゃ、ない、です」
なんとかボタンを全て外し、平らな胸をさらす。さすがに何もない胸にブラジャーなんてものはつけられず、僕の貧相な胸筋やうっすら浮いたあばらが淡い色合いをしたシャツに不釣合いだった。だけどそれにすら、くらりと視界が揺れる。
何か言われたわけでもないのに、僕は自分の手を胸元に差し込んで、男にとっては何の意味もないはずの胸の突起に指をのばした。
「ん……っ」
触れた瞬間、じわりと腰が重たくなったように感じる。すでにたっていた乳首を指先でつまむと痛みよりも下半身に直結するような快感が僕を襲った。
「胸、気持ちいい?」
臨也さんの質問にこくりと首を上下させると、また顔をつかまれ真正面のカメラに視線を向けさせられた。なんで、と不審に思う僕の耳に、彼は再度、気持ちいい? と尋ねてくる。その質問の意図が解り顔が熱くなった。
「きもち、いい、です」
仕向けられるままそう口にした途端ぞわりと背筋に何かが走ったような気がした。
素敵な萌えをくださったお礼にえろいとこというか帝人君の一人遊び的なとこ書こうと思ったけど力尽きた……そのうちまたいつかリベンジしたいです。
インタビューももっとちゃんと書きたいけど、正直公式のキャラソンに勝るものはないと思う。ほんと帝人君マジ魔性。
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